Vectorシェアレジの売り上げが減少している理由は?

IT Mediaの記事には、

低価格なメーカー製ソフトの台頭により、利用者ニーズが停滞傾向にあるという
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0604/28/news103.htmlより引用

と書かれています。
でも、この記事の元になっている、Vectorのニュースリリース、と言うか、平成18年3月期決算短信(連結)には、

シェアレジ・サービス<中略>は、低価格ソフトの台頭などにより
http://www.vector.co.jp/info/ir/data/ir060428_heisei1803.pdfの7ページより引用
太字はvanjac
(PDFなので、リンクさせてません)

と、なっています。

IT Mediaの記事は、この、「など」の部分が全く反映されていません。
ニュースリリースの内容を、そのまま引用したのならともかく、そうではないのですから、これは、
記者の転載ミス(転載ミスなら、校正のミスでもありますが)か、
もしくは、ニュースリリースの上澄みの部分しか読まず、実社会の状況などを、全く考慮に入れていない、クズ記事か、のどちらかでしょう。

シェアレジ売り上げの減少は、Vectorのニュースリリースに有るような、低価格ソフトの需要が伸びたこともあるでしょう。
しかし、それだけではないと、vanjacは考えます。
一番大きな理由になるかどうかは知りませんが、少なくない影響を与えたのは、ネットバンクの普及でしょう。
Vectorのシェアレジは、送金手数料が105円かかります。
以前の銀行事情なら、振り込み手数料の1/3ですから、直接振り込むよりも、レジを使った方が安く上がりました。
しかし、現在は、新生銀行の様な、件数の制限はある物の、どこの銀行(JNBをのぞく)に振り込んでも振り込み手数料がかからない銀行や、
イーバンクの様に自行宛てなら振り込み手数料の要らない銀行、
預金残高で振り込み手数料が安くなる、もしくは無くなるって銀行等、
手数料が不要、もしくは、極端に安くなる銀行が増えてきています。
さらに、イーバンクや新生銀行は等、ネットバンクにありがちだった口座維持手数料を無料にしている銀行も出てきています。
つまり、シェアレジよりも安い送金手段が出来たって事が、今回の売り上げ減少に、結構な影響を与えているのは間違いないと思います。

もう一つ、考えられる「など」の中身があります。
こちらのブログでも書いておられますが、フリーウェアの台頭でしょう。
オープンソースの、巨大なプロジェクトで開発されるフリーウェアは、品質も、認知度も、マイナーなパッケージ製品が追いつけないほど高い物があります。~
この影響も、小さいとは言えないでしょう。

それと、このIT Proの記事で検索している最中に、
winnyの影響が
と言う、短文コメントを見つけました。
敢えて言おう、それはないと。
Winny使ってる奴なんて、程度の差こそ有れ、みんな、Warezerです。
Warezerは、不要な物まで、無料でレジストしようという性質を持った生き物です。
Winnyが有ろうが、無かろうが、そう言う奴らがシェアウェアを、まともにレジストするわけがないです。
Winnyの様な共有手段が、もし、無くなれば、昔のように、UGの掲示板で相手を見つけて、FTPやICQで交換、って姿に戻るだけでしょう。
コアなWinnyのユーザーほど、そうなる可能性が高いと思います。

<最後に>
決算報告書の「など」は、株主総会に向けたエクスキューズって意味もあるでしょうが、
「他にも細々とした理由がありますよ」と言う、表明でもあると思います。
「など」は、株主総会では、多分、詳細説明を求める質問が出るはずです。
その「など」を欠落させたこの記事は、意図的であろうと、単なるミスであろうと、クズ記事であることには、変わりないと思います。

「Vectorシェアレジの売り上げが減少している理由は?」への1件のフィードバック

  1. はじめまして! てつろうといいます.
    引用していただきありがとうございます.
    ネットバンクに関しては全く存じませんでした.
    影響は大きいのかもしれませんね.

    とても興味深いブログを書かれていますね.
    また拝読させて下さい.
    今後ともよろしくお願いします.
    —-
    前サイトで頂いたコメントを、vanjacが移動したものです

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