一澤帆布が営業を再開するらしい。まぁ、信三郎帆布には勝てんでしょうw

まず、一澤帆布とはなんぞや?ってことから説明しなくてはいけませんね。
京都の東山区に有る、帆布製かばんの製造販売会社です。
「京都市東山知恩院前上ル 一澤帆布製」というタグと、実用性とデザイン性が共存していることから、大変人気のかばんメーカーとなりました。

で、この一澤帆布店は、先代の一澤信夫氏の遺言を巡って、お家騒動が起こり、最高裁まで争った結果、長年、実質的に経営を行い、製造も一手に手がけてきた三男の信三郎氏が敗訴し、会社は、長男と次男、そして、それらの家族の手に渡ってしまいました。

この裁判中の2005年に信三郎氏は、製造部門を「有限会社一澤帆布加工所」として独立。信三郎氏をはじめとする、製造部門の全社員が、こちらに移籍しました。
判決後も、信三郎氏は、一澤帆布工業株式会社(一澤帆布店の会社組織としての正式名称)に、間借りする形で製造を続けていましたが、長男の信太郎氏が京都地裁に店舗明け渡しの仮処分申請を行い、それが認められたことで、信三郎氏らは、一澤帆布店から、追い出される形となりました。
信三郎氏を追い出したのはいいですが、当然、会社組織である加工所も追い出したことになりますし、加工所のメンバーだけが製造を行っていたんですから、一澤帆布店は、製造部門を無くし、休業状態に入りました。

一方、信三郎氏は、一澤帆布店の近所に店舗兼工場を確保して、「信三郎帆布」として再スタート。
一澤帆布のかばんのファンのほとんどは、一澤帆布のかばんが信三郎氏の手によるものであることを知っていましたから、瞬く間に評判が広がって大人気となり、以前の一澤帆布製かばん以上に入手が困難となっています。
こちらのBlogで、

東国在住の人間でも容易に入手できるようにすることが望まれそうだ。

と書かれているとおり、現在、信三郎帆布のWebサイトはあるものの、ネット通販などの環境が整っていないため、事実上、近畿在住の人間以外では、入手不可能となっています。
Webサイトには、

通信販売につきましては、ただ今準備中です。
http://www.ichizawashinzaburohanpu.co.jp/order/order.htmlより引用

と、書かれていますが、同じページに書かれているように、お店に行っても買えないことがあるって状態なので、本当に、通販が始まるかどうかは、微妙な情勢。

で、元の一澤帆布工業ですが、こちらは、最近になって、ようやく、営業を再開するというニュースが流れました。
京都新聞の記事参照(リンク先が文字化けしている場合は、EUC-JPにエンコードを変更して下さい)
記事を見てもわかるとおり、材料が、過去の一澤帆布製かばんとは、全く違ったものとなります。
その上、裁判に勝ったこの長男と次男は、市井では、人気がありません。
この長男、先に紹介したBlogにも書かれていますが、家督は長男が次いで当然なんて発言をしてます。
また、別のBlogでは、日経BPの記事で、布なんてどこで買っても一緒と話したことが書かれています。

元々、裁判に勝ったとはいえ、信太郎氏側の世間でのイメージは、「長男、次男による乗っ取り」で、その後の信三郎氏をたたき出したことも含めて、大変悪いのに、その上、自ら、自社ブランドの価値を下げるような発言をしていたんじゃ、だめでしょ。

KANSAIや、KENZOなど、元々、そのブランドを立ち上げた人が、手を引いた後も、しっかりと商売をしている会社もありますが、一澤帆布工業株式会社は、小企業で体力がない上に、社長自身が、ユーザーが、自社ブランドに何を求めているかを理解してないようでは、営業再開をしても、以前のような人気は得られないと、vanjacは思います。

一澤帆布店も、信三郎帆布も、ともに、市バス知恩院前か、東山三条から歩いてすぐのところにあります。
知恩院前からなら北へ、東山三条からなら南へ。
京都駅からなら、206系統にのればOK。
京都にお越しになられた際には、訪ねてみられてはいかがでしょうか?


拡大地図を表示

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です